「…んなこと、言うなって…」




オレは気がつくと泣いていた。


符和のことが好きだ。

そう気づいてしまったから。



符和は、オレが自分のことを嫌いだと勘違いしたまま消えてしまった。



それが悔しくて、悲しくて、涙が止まらなかった。




両想いなのに。

オレが意地さえ張らなければ、符和の願いは叶えられたのに。



アイツには、時間がなかったのに。




誰もいない病室に、オレはただ1人、たたずんでいる。






真っ青で雲一つ無い蒼空が、窓を染めていた。