「うん。好きだよ。」
「オレも愛してる。」

はぁ…。
テレビの中はいつでも
リア充だ…
現実なんてそんな甘くないっつーの。

って…心の中でつぶやいてる
川原 美咲。15歳
ついこないだ高校1年生に
なったばかりだ。
高校生になれば毎日が輝いて
好きな人ができて彼氏ができて____
そんな日々を夢みてたはずなのに…
好きな人さえできない。
これから先もくだらない
高校生活を送るのかな?


「はぁ…」
「最近ため息多いわよ!」
「あ!かなっち!」
井上 華奈。私の親友。

「あ!かなっち!じゃないわよ…何かあったの?」
「んー、いい人いないかなーって。」
「美咲はバカだねー!」
え、何が?
なんで笑ってるの?
「美咲には太一くんがいるでしょ!」
「へ?」
太一くんとは…私と幼馴染の
山下太一。
いまは別々の高校なんだけど
幼稚園から小学校までずっと
一緒にいて当たり前の存在だった。
「太一くん、お似合いよ!」
「太一はただの幼馴染!」
「へぇ。」
「な、なによ!華奈はみっくんいるでしょ!」
「まーね♪ みっくんラブだもん!」
「はいはい…」
こんな風に華奈のノロケを聞かされるわけです…
でも…
考えてみればしばらくの間
太一とあってないな…
今日の帰り会いに行こっと‼︎

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「ふぅ…」
なんか緊張してきた。
1人で太一の家に行くなんて
久々だな…何年ぶりだろ?
え、ってか会ってなにすんの⁉︎

ガチャ____
「え…」
「あ、あ!た、太一お、お久‼︎」
「お、おう」
タイミング悪すぎでしょー!
なんで家からでてくるのよ…
「で、何のよう?」
なにその態度。むかつく
「最近会ってなかったから会いに来てやったのよ!」
「へぇ。あがってく?」
「え、あ、うん」
え?
太一こんな人だっけ?
身長はうちよりはるかに高いし
なんかカッコイイ…

「…」
この沈黙どーしかしてー!
「あのさ、」
沈黙を破ったのは太一。
「う、うん‼︎」
「…やぱなんもねえや。」
えー!
そんなのあり⁉︎
「なによ‼︎そこまで言ったんだから言ってよ!」
「あのさ…」