「仕事とか役目とかじゃなくて、
なんか、皆私情が挟まってた
っつーかさ。俺にはそう見えたね。」
と言いながら苦笑する原田。
けど、私は彼が言ってることが
よくわからなくて聞き返そうとした。
けど、
「お、ここか?」
どうやら着いてしまったらしい。
その後は、
私がついてくる意味なんか
無かったかのように
原田と店の主人で
トントン拍子で話が進んで
行ってしまった。
なので、時折、
原田の質問に答えつつも
退屈しのぎに店の中を
眺めて回った。
ユキは沖田に大分
気に入られていて、
本人も満更でもなさそう
だったので置いてきた。
そういえば。
私が売ったあのパーカーは
どうなっただろうか。
売れて行ったのだろうか。
「買い手がいらっしゃいました。」
突然話しかけたのは、
店のご主人だった。
「すいません。驚かしましたか。」
あまりに突然で、
吃驚して肩を揺らしてしまったのに
気づいたのかご主人が謝った。
「いえ、少し。
それよりも………売れたのですね。
どんな人だか覚えていますか?」
「えぇ、珍しい着物でしたから
買っていった人の事も覚えとります。
若い男で、品のあるおとこでしたなぁ。
売った人はどんな人かと聞かれましてな。
若い礼儀の正しい男が売っていったと
話しました。」

