ここにいる意味を知りたい。
ワタシは何故ここにいるのか。
何故ユキと出会って、
どうして時代という壁を
乗り越えてしまったのか。
それを知るために、
ワタシは東京、もとい江戸に行くべき
だと考えていた。
自分の住んでいる筈の
場所へ行けば何かわかるんじゃ
ないかって思ってた。
けど、それで時代という壁を
乗り越えてしまった理由は
わかるかもしれないけど。
ワタシが何故ここにいるかは、
わからない気がした。
だから、迷っている。
留まるべきか、
去るべきか。
悩んでいる途中だった。
ハッと我に帰った。
何を悩んでいるんだ。
悩むことなんか、
ないじゃないか。何も。
大事なことを忘れていた。
人間は、蜘蛛なんだ。
糸を吐き散らすように、
上辺だけの愛想を振り撒く。
獲物を糸玉にするように、
上手に笑って信用させる。
それで最後には、
塵も残さず食らうように、
心をボロボロにする。
コイツらもワタシを
裏切るのかもしれない。
いや、きっと裏切る。
こうやって優しい言葉で、
上辺だけの笑顔で。
ワタシの父親みたいに。
学校の奴等みたいに。
わかってる。
人間は嘘つきなんだから。
ワタシだってコイツらを
騙してるわけだし。

