「よし、そうしようっ。」
急に原田はそう言うと
ニカッと笑って見せた。
「俺等は望月ちゃんが突きつける
未来に立ち向かってやる。
望月ちゃんが悲しまないように、
俺等はお前に立ち向かってやる。」
は?
はい?何を言ってるんだ、
この人は。
私が悲しまないように。?
「何を、おっしゃるのですか。」
「だって望月ちゃん今だって
悲しい顔してる。
それって俺等の行く末が見えてる
からでしょ?他人の行く末が
見えるってさ、楽じゃないでしょ。
人間の行く末なんて、結局は皆、
死ぬところなんだからさ。」
私、いつのまに悲しい顔なんて。
そんなつもりはなかったのに。
というか、そんなことを言ってる
原田の顔も無意識にか、
険しく、悲しそうな顔に
なっていた。
まるで、転んだのに
強がって、涙を堪える5歳児
みたいに。
「それは私にここに留まれと、
仰っているのですか。」
私は、それを無視して
何も見てないかのように、
原田に問うた。
「うん。そうしてやっちゃ
くれねーかな。」
そう言って照れ臭そうに笑う
原田、佐之助。
この人、意外と餓鬼。
「さぁ、どうでしょう。」
どう答えればいいのか
わからなかったから、
答えを濁して私は、
彼をおいて先に歩きだした。

