「私は未来を見ることのできる人間
ではありますが、未来を決めつける
人間ではないのです。」
私の話に耳を傾ける原田の
表情は先程とは打って変わって
真剣なものになっていた。
「私が突き付ける未来に、
立ち向かって欲しいのです。
運命は、その人の想いと覚悟で
いくらでもねじ曲げることが
できるということを殆どの人々が
忘れています。」
原田は立ち止まって
私を見つめる。
私も、立ち止まって
彼を見つめる。
「だから、私が申し上げる事が
全てではないのです。
だから、私は今のままの貴殿方
の未来しか見えないのです。」
なんとか、それらしきことを
言ってみたが、本当に私は。
女優になれるような
気がしてきた。
私が突きつける未来に
立ち向かって欲しい。
これは本音だ。
とりあえず、
ここがあの世かこの世かは
もうよくわからないが、
ここが平成ではないことには
変わりがないわけで、
ならばもうあの世だろうが
この世だろうが関係ないのだ。
私はこの男達の悲劇を
知っている。
仲間と共に在ると言う
幸せも、
仲間を失う悲しみも、
仲間に裏切られる哀しみも、
怒りも、
私にはわからないが、私は、
誰かに棄てられる
絶望を知っている。
そんな絶望、いらないから。
そんなの、誰にも
知ってほしくないから。

