何故、泣くのだ。


「まぁ、出来んこともないだろう。
お前が今すぐ始めてもいんならの話
だがな。どうだ。」

「申し訳ありませんが、そうできますか。」

土方の問いに私は瞬でそう答えた。

「分かった。じゃあ、正直に答えろよ。」

「はい、わかりました。」

そうして、私の尋問?が始まった訳だ。







「んじゃあ、手始めにおめぇは
なんだって、あんな時間にあんなとこに
いたんだ。」

私の気が知れないとばかりに
問うてくる土方。

事の経緯を話した方が話が早そうだと
思った私は、

「それを明らかにするには、
どのような経緯でこのようなことに
なってしまったのかをお話した方が
早かろうと思いますので、順を追って
お話致します。」

そう、土方に言い返した。
彼は何も言わずに私を見続けていたので
彼は肯定したと取り、話を始めた。


「その日は私がちょうど京に着いた日
でした。」

私は、口調に気を付け、出きるだけ
古っぽい言葉を探しつつ丁寧に話し出した。

「私は、恥ずかしながら旅の資金を
使い果たしてしまったので、どうにか
出来たものはないかと、町の市場を
眺めながら、途方に暮れつつ歩いており
ました。」

藤堂が、胡座をかいた膝に肘をついて
そこへ頭を乗っけるのを眺めながら、
私は話を続けた。

「そこで、無意識に覗いた店が
なんや、不思議な呉服屋さんのような店
だったのですが、そこのご主人が私の
羽織っていた羽織を売ってほしいと
おっしゃったのです。」

「羽織り??」

土方は怪訝な顔をして、私に問い返した。
私は、ゆっくりと頷き、話を続けた。

「私の羽織りは二月ほど前に出逢った
不思議なお爺さんが下さったものでした。」

ここからはほとんど私が勝手にでっち上げた
嘘話だったが、我ながら上手く出来たと
思っている。

「私がご主人に売った羽織りは、
妙な形をしているもので丈も短く、
生地も見たことがないものでした。
その羽織りは藍染めをしたような色を
していて、きっとそれが事を招いて
しまったのです。」