何故、泣くのだ。


「いえいえ、どぉぞおかまいなく。」

そう返す。
彼は少し困ったように笑う。

「あぁ、ところで望月ちゃんよぃ。
お前さん、お急ぎなんだろ?」

と、いい具合に原田 佐之助が話を
振ってくれた。

「はい、出きれば今すぐにでも
おいとまさせて頂きたい。」

私は困っている一般庶民の如く、
眉を八の字に曲げて、そう言った。

「そいつぁ、ちょいと出来ねぇ
相談だな。先日の事について聞きたい
こともあるしな。」

土方は原田の予想通り直ぐにOKしては
くれなかった。

「我が儘を申しますが、早急に済ませる
ということはできませんか。」

一刻も早くここを出たい。
ここにいたらろくなことがないのは
目に見えているし、ユキが此処の何かに
警戒しているのは先程から気がついていた。

この人物達を警戒しているのでは
無さそうだった。
私の膝の上から興味深げに面々を
眺めているし。

しかし、毛並みが逆立っているし、
目が鋭くなっているから、
確実に何かに警戒しているのは確実だった。

何に警戒しているのか、
まったく、わからなかった。