何故、泣くのだ。



「えぇ、先ほど言ったように、
近藤さん、あなたはかなり有名な方に
なるようです。そして、土方さん?
あなたが歌詠みをなさっているのを
存じ上げておりますよ。」

ととりあえず、予言者としての
立場を確立しようと、適当に知っていることを
言ってみた。

すると、

「な、おま、予言すんのが予言者
だろうが!なんでそんなことしってんだ?」

茹で蛸の如く顔を赤面させた
土方 歳三が反撃してきた。

「あなたが歌詠みをなさっている
ところを拝見しました、未来に。」

「ふーん、龍香ちゃん。
土方さんは、なんて詠んだの??」


笑いを堪えながらも、
沖田 総司が私にそう尋ねた。

「それを申し上げてしまうと、
土方さんがこの先この歌を詠まれることが
なくなってしまうので、致しかねます。」

私はそう返して困ったように
眉を歪めて見せた。

自分で言うのもなんだが、
私、かなり演技力あると思う。

「あぁ、そうか。
ごめんね、龍香ちゃん。君を困らせる
つもりは無かったんだ。」

と、沖田 総司も同じように
眉を歪める。

この人は、演技力がない。
私には優しく当たっているつもりだろうが、
目が笑っていない。嘘をついている。

私を疑っている。