何故、泣くのだ。


「あの、助けて頂きありがとうございます。」

とにかく、よろしくだけはしたくなくて、
話を変えてみることにした。

「あ?あ、あぁ、いやーぁ
助けたってほどでもねぇよ。
死にかけの人間を見過ごすほど、俺も
鬼じゃあるめぇし。な!」

そう言ってニカっと笑う原田 佐之助。
よし、気分を良くしたらしい。

「いえ、それでも何かお礼をさせて
頂きたいのですが、生憎、持ち合わせが
ありませんので、
後日、お礼させて下さい。」

私はお利口を装ってこの場を繕おうとした。

「礼なんていいんだって、水くせぇなぁ。」

と、照れ笑いをする原田。

「申し訳ありませんが、私は今、
旅の途中でございまして、これで
失礼させて頂きたいのですが。」

よし、なんとかいけそうだ。

「んー、そいつはどうかなぁ。
うちの副長がいろいろ聞きたがると
思うがなぁ。急ぎなのか?」

副長、土方 歳三か??

「まぁ、出来れば急ぎたいのですが。」

「んじゃあ、今から他のやつらよんで
くっから、ここで待っとけよ。」

「はい、」