何故、泣くのだ。



なんとか理解して貰えたのか、藤堂 平助は
バタバタと騒がしく部屋を飛び出して行った。

それからすぐに二、三人の男が駆け込んで
来て、私の床もとに膝をついた。

「おいっ、大丈夫か、しっかりしろ!」

「深呼吸するんだ!」

深呼吸なんて、出来ない。

さっきから視界が霞んできていて
誰が何を言っているのかもわからない。

助けて、誰かっ

痛い。


冷や汗が止まらない。

暑い、

寒い、


自分が何をみていて
何が聞こえて、何を知っているのか、

なにもわからない。

けど、その混沌とした思考のなかで
強く思ったことがあった。

何故、この人たちはこんなにも
私にここまでしてくれるんだ?

見ず知らずの私にこんなしてくれるんだ?



水といったら水を取りに走り、

意識の薄れる中、懸命に声をかけ、

背中を擦ってくれる。

何故、この人たちはたった今出逢った私に
ここまでしてくれるんだ??

わからなくなって、
何かが混み上がってきて、

涙が出てきた。


「畜生、これじゃあ拉致があかねぇ。
斎藤!山崎を呼んでくれ!!」

「御意に。」