何故、泣くのだ。


「あの、ここは……」

「あっ、そうだった!わりぃな!
忘れるとこだったぜ、
ここはな、新撰組の屯所なんだっ」


新撰組……。
そうか、私は新撰組にいるのか。

おかしくはないだろう。
京の治安を守るのが新撰組としての
務めのはず。あの場に居合わせるのも、
おかしくはない。


「あー、それで俺は新撰組八番隊隊長、
藤堂 平助(トウドウ ヘイスケ)だっ。
お前、名前何てゆーんだ??」

この少年が藤堂 平助か。
名前は聞いたことがあったけど、もう少し
オジサンかと思っていた。

「私は望月 龍香といいます。
助けて頂きありがとうございました。」

とりあえず、助けてもらったのは
確かなようだから、丁寧に礼を述べた。

「あ、や、いやいやぁ。
助けたっつかぁ、まぁ………」

頬を赤く染めてバツが悪そうに
頭をポリポリと掻く藤堂 平助。

「あぁ、まぁとりあえず
上の者の部屋まで来てもらえるか?」

未だに照れくさそうな表情を見せつつ、
彼はそう言った。

「あ、はい。では私の着物を返して
頂けますか??流石にこの姿では……」

彼等に男と思われているのか、
女と思われているのかはよくわからない
ところだが、どちらにせよ、この姿のまま
表に出るのはよろしくないだろう。