何故、泣くのだ。



ユキを見守りつつ、
コイツの飼い主はどんな人だったのか
考えた。まぁ、ろくな人間ではないことは
明らかじゃないか。

命を手放すなど、殺人と同じ。
それが例えペットでも一緒。

やってはいけないことだ。

ユキも、ワタシと同じ愛されない身だった
のかもしれない。
居ても居なくても一緒で、どちらかと言えば
邪魔な存在だったのかもしれない。

ユキがどれくらいの間、
あの屋外階段の踊り場にいたのか。
考えるだけで悪寒が走った。

ユキが川に落ちやしないかと心配になり、
だきあげてあげた。



……………?


しばらく歩いていると、
後ろから人の気配がした。

けど、振り返ってみても、人の影が
視界に入ることはなかった。

しかし確かに、絶対、誰か後ろにいる。
誰かをつけているのか。
周りを見渡しても人は私以外誰もいなかった。

私をつけている??
追われているのか、私は?

私は走ってみることにした。
けれど、背後の気配が薄まることはない。
むしろ、徐々に縮まっている気がする。

私は立ち止まることにした。
彼等も立ち止まる。やっぱり私か。