何故、泣くのだ。




何時間歩き続けたのだろうか。
ワタシの後ろをひょこひょこと歩いていた
ユキはいつの間にかワタシの肩で
爆睡をかましていた。

空の彼方が赤く染まり始めて来ている。
いつになったら人のいるところに
たどり着けるのか。

「にゃーぅ」

ユキが目を覚ました。
コテンと転がる様にワタシの肩を降り、
ワタシの周りをちょこちょこと、
行ったり来たりしている。


空が青く澄んでくる頃、
ふと人の通りが多くなったことに気がついた。

馬を引いている者、
薪を背負っている者、
天秤のようなものを担いでいる者。

様々だ。

私は近くを通りすぎようとする女の人に
訪ねてみることにした。

「あの、お聞きしますが、
ここから町までは後どれ程かかるので
しょうか?。」

「すぐですよ、次の曲がり道で虎の方へ
進みなさいな、すぐに市場が見えますよ。」

虎、……………虎ということは、

右か。


「かたじけない、感謝します。」

とりあえず、怪しまれないように
口調を合わせ、快く道を教えてくれた
若いお姉さんに礼を言ってみた。