「よく飽きないね、ソレ」

クイッと顎で私の目の前にある箱を飽きれた顔してさす。高校で仲良くなった友達、叶 羅奈。

「飽きないよー。いる?」

そう言って、飽きれた顔してる羅奈に差し出す私は、佐原 紫案。

私達、両方とも16歳の高校一年生。

「もーらいっ!」

そう聞こえて、反応する間もなく目の前の塩キャラメルが消えた…
振り向くと、やっぱり。
錦田 優によって…否、バカによって奪われた。

唖然とする私をよそに、ふた粒も取って行った。私の大事な塩キャラメル…

「うわ、喉渇くじゃん!」

返せ…

「返せっ!優!」

怒る私を尻目に、笑ながらどこかへ行った優。

嘘でしょ…最悪…

「まだ食ってんの?ソレ」