「おーい!未祐起きろ~」



ペシペシと頭を叩かれて目が覚める。




授業を受ける気力を無くした私は、窓の外を見ていたけど、その内夢の世界へボン・ヴォヤージュしていたらしい。

うつ伏せで寝ていた私がムクッと起きれば、

呆れた顔の美奈子が私の机に自分のノートを置いた。




「さっきの授業のノート。今の内に写しちゃいな!」


昼休みになった教室はいつも通りざわついていて、

お昼ご飯を購買で買うつもりの美奈子は、

財布を持って教室から出て行った。



残された私は、美奈子のノートと自分のノートを開いて、

スラスラと写していく。


夢で小学生の時、私が机に告白を書いた子を思い出した。

しかし、何故か名前には靄が掛かっていた。

夢にケチをつけるのもどうかと思うけど、
どうせ見るならちゃんとしっかりダイジェストで見せろよ……

それか、フィクションで良いからもっと幸せな夢を見せておくれ。











「浅岡さん」


ノートに集中していたから…

夢の事にケチなんて付けていたからか、


誰に呼ばれたなんてわからなくて『ん~?』と適当に返事する。


誰だかわからないけど、この行を書き終わるまで待っててくれ。



しかし頭の中で再生された声に、ハッとして顔を上げた。