「大路、聞いてくれますか?」


自分で言って、驚いた。

嫌いな相手に、私はいったい何を言って
いるのだろう。

だけど、私の口は止まらなかった。

「私の、昔話です。」

私を見る大路の目はすごく温かくて。
背中にまわされた腕に安心して。

だからかな。

こんなことを言っちゃったんだ。


「今。…大路になら、言っていいって、
暴露したい、って思ったんです。」

そう、それは私が幼稚園の頃のこと。