「美姫。」

優しくかけられた声に、私の肩が大きく
震えた。

…こわい。

ドクン、ドクン。


鳴り響く鼓動があまりにも大きくて。
握りしめた拳があまりにも頼りなくて。


なんだか無性に泣きたくなった。