「あ、えっと。」

誤魔化そうとしても頭が働かない。
どんどん上がっていく体温に焦る。

どうしよう。

絶対に大路、困ってるよ。

「ひ、ひきました?」

咄嗟に出た言葉。
いや、待てよ。
これじゃ、肯定したみたいになったよ。

もう、戻れない。

私はぎゅうっと、目をつむって。

叫んだ。

「好きなんです!!」

固まり続ける大路に更に言葉をかける。

「好きだって、知ってましたか?」


戻れない。


だから、前に進むしかない。