「あの、大路?」

「ちょ、今俺の顔見ないで。」

いつもの余裕そうな態度が、今は何故か
感じられない。

本当にどうしたんだろう。

…なんて考えているうちに、私は本来の
目的を思い出した。

手紙、見せるんだった!

「手紙読ませてあげましょうか。」

…可愛げのない言い方だ、って自分でも
わかっているけれど。

私にしては頑張ったよね。

「美姫がデレた…。」

そんな私を見ながら、更に顔を赤くした
大路が呟いていたことを。

私はもちろん知らない。