なにか視線を感じてうっすら目を開けてみるとそこには…華恋がいた。

ってか!顔近い!!

やばい…ドキドキする…きっと近いからだよね…。

な、なんで華恋がここに…?

授業は!?

なにか僕の顔についてるとか!?

思考回路がぐるぐるで…パンクしそうになる。

とりあえず…寝たふりを決め込もう!

…………ーーーーーー。

キーンコーンカーンコーン…。

はっ!あれから本当に寝てたみたいで…。

なんか…体中が痛いな…特に右肩がおもたいような…。

ま…まさか!幽霊とかないよね…?

恐る恐る見ると…。

「わっ!華恋!?…っ!」

顔近い!!そしていま起こしたらきっと大変な事になる…。

「…好きだな」

っ…!

ポニーテールにしても長い透き通るように細い髪とか…。

白くて触ったら壊れてしまいそうな肌とか。

ピンク色のやわらかそうな唇とか。

そそられるっていうか…誤魔化せなくなる。

この感情に…。

名前も…華恋と…姫華…漢字一文字入ってるってだけで素敵だなって思えちゃうし。

どことなく…姫華に似てる…。

「はっくしゅん…んん…」

「…………」

寒いのかな?

いいなぁ…華恋のジャージ…海の色してる。

僕のとは違う…海の色。

僕は自分の空色のジャージを脱いで華恋にかける。

「………これでよしっと。
あ…6時限目は出たいから出ようかな。
フラバ…くらいでくよくよしてたらだめだよね…。」

ねぇ…姫華。

僕はまだ君のことを忘れられそうにもないよ…。

今だって君の面影を探してる…。

華恋と初めて出逢ったとき…後ろ姿そっくりだったんだ…もしかしたらって…笑っちゃうよね…。

もう君はいないのにさ…。

それとも…生まれ変わってきてくれた…?

いや…それも僕の独りよがりかもしれないね…。

姫華…逢いたいよ…もう一度だけ…君に逢いたい。