あ…この空色のジャージ…もしかして…。

「空輝…?」

口に出してはっとした…。

でも…そんな私の声には気づきもしないで気持ちよさそうに眠っている。

「スゥ…スゥ…」

近くで見ると…綺麗な顔してる…。

時々吹く風に揺れる少し茶色がかった柔らかそうな髪の毛…。

女子の私でさえ羨ましい、長いまつげ…。

高く整った鼻…。

薄く綺麗なピンク色の唇…。

童顔…なのかな…?

そんなことを考えているうちに私はいつの間にか寝てしまっていたみたいだ…。

キーンコーンカーンコーン……。

パサッ…

んん…?何かかかってる?

空…ジャージ!?

ぁ…これ…空輝の…。

あれ?空輝は…?

戻っちゃったのか…いつの間にか寝ちゃってたんだ…。

今何時かな…。

ふと…スマホを開くと…。

一件のメール。

見慣れないアドレス…空輝…?

あぁ…登録しましたって…ことか…意外と律儀なんだ…。

『華恋➫空輝

わざわざ、ありがとう。
登録しました。
これから、ペアとして宜しくね!』

………カチカチカチ

………カチカチカチカチカチカチ。

やっぱりだめだ…。

ジャージのお礼もしなくちゃかな…。

んー。男の子とメールなんて幼馴染みくらいしかしないから…どーしようか……。

いいや!後でで!

〜♪〜♪〜♪

…?

3件…。

『優香➫華恋

華恋〜!
いつまで寝てる気なの??(。-_-。)
お寝坊さんはいけませんよっ!
もう掃除とか全部終わっちゃったし、HRも終わったから、部室で待ってるょ(*´▽`)ノノ』

げっ…もうそんな時間!?

えーと…。

『華恋➫優香

えー!もうそんな時間!?Σ(゚д゚lll)
起に来てくれればよかったのにぃ…気が気ないわねww
今すぐ行くね!』

カチカチカチ…

送信っと…。

次のメールは…。

『祐実➫華恋

華恋ー!
起きろー!
校内放送流しても起きないなんて!だめだめだね!www
まぁ、屋上にいるんでしょ?( ´ ▽ ` )
部室で待つ!』

…………カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ

『華恋➫祐実

校内放送したの!?
あんたばかっ!?
また、放送室乗っ取ったんでしょ!
ハイジャックすんなって!
あーもー恥ずかしい!
部室で待ってろ!』

返信…。

何考えてんのあのバカ…。

次のメールは…美咲かな〜。

『美咲➫華恋

華恋ちゃんもう部活の時間だよ。
掃除当番変わっておいてあげたからね。
部室にすぐ来るように…優ちゃんたち…心配してるよ。』

カチカチカチ…。

『華恋➫美咲

本当??ありがとぉ〜今度なんか奢るよ!
今から行くね!』

送信っ…。

よし…もう行かなくちゃ…。

ギィィィィ…。