その言葉と同時に重ねられる唇。そのまま、首筋から鎖骨へとキスの雨は降り注がれる。それと同時にチクリと感じる甘い痛み。今まで感じたことのない痛みに、亜紀の口から声が漏れる。

だが、それがいつもの自分の声とは違うと思ったのだろう。思わず、それ以上の声が漏れるのと抑えようとする亜紀に、惟は『もっと聞かせて』と囁きながら何度も同じ痛みを与えてくる。

体中に繰り返されるキスの嵐。何度も与えられる甘い疼きを伴った痛み。それらに完全に亜紀は翻弄されてしまっている。どうすればいいのか分からない彼女は、惟が与える刺激に甘い声で応えるだけ。



「ゴメン、亜紀。約束、守れそうもない」



どこか熱っぽい掠れたような声が亜紀の耳に飛び込んでくる。それと同時に始まる、今までよりも深いキス。半ば強引に彼女の口を割り侵入してきたものが舌を絡める。最初のうちこそ、拒絶するような姿勢を見せていた亜紀だが、いつのまにかたどたどしい様子で応えていく。



「亜紀、そんな顔して誘ってるの? 本当は我慢するつもりだったよ。でも、君が火をつけたんだ。その責任、取ってちょうだい」



囁かれる熱い囁き。休むことなく与えられるキス。それらが完全に亜紀の頭を蕩かしていくのだろう。今の彼女は何も考えることができずに、惟の首に腕を絡ませるだけ。



「亜紀、愛している。誰よりも君のこと愛している」



何度も耳元で囁かれる言葉は彼女の熱を嫌でも上げていく。愛されていると全身で感じているのだろう。彼女の白い肌がほんのりとピンク色に色づいていく。



「惟にならいい。惟の好きにして」