蕩けそうな甘い言葉と一緒に、左手の薬指に感じる重量感。その重みが、彼女にこれが現実なのだということをハッキリと伝えていく。そんな彼女に囁きかけられる声。
「よく似合ってる。それにサイズもちょうどだね。これは外さないでよ。もちろん、学校の時はそんなこと言わない。でも、それ以外の時はずっとつけていて」
「惟さん……」
「そんな顔しない。これは君のものなんだよ。明日はこれに合う結婚指輪、買いに行こうね」
柔らかい声が亜紀の耳を揺さぶっていく。そこに含まれる甘い響きは間違いなく彼女の思考回路を蕩かしていく。アルコールを飲んでいないはずなのに酔ったような表情になっている亜紀。そんな彼女を惟は愛おしげな目でみつめている。
「ねえ、亜紀。その顔って誘ってるの? そんな顔されて、僕が我慢できると思ってる? うん、もう十分に我慢したよね。だったら、これ以上はしなくてもいいかな?」
「惟さん……」
「ダメ。惟。これからはそう呼んで。だって、僕たち婚約者同士でしょう? 敬語は必要な部分あるけど、二人でいる時までは必要ないよ。そうでしょう? そのこと、ちゃんと分かってよね」
その声が聞こえると同時に、亜紀の口に触れるだけの優しいキスが落とされる。突然のことに、ビックリした顔をする彼女に何度もそれが繰り返される。
羽根で触れるような優しい感触の合間に囁かれる『愛している』という言葉。それが引き金になったかのように彼女の口から漏れる『惟……』と呼ぶ声。それを耳にしたとたん、惟は亜紀の体をしっかりと抱きしめていた。それと一緒に囁かれるのは限りなく甘い声。
「よく似合ってる。それにサイズもちょうどだね。これは外さないでよ。もちろん、学校の時はそんなこと言わない。でも、それ以外の時はずっとつけていて」
「惟さん……」
「そんな顔しない。これは君のものなんだよ。明日はこれに合う結婚指輪、買いに行こうね」
柔らかい声が亜紀の耳を揺さぶっていく。そこに含まれる甘い響きは間違いなく彼女の思考回路を蕩かしていく。アルコールを飲んでいないはずなのに酔ったような表情になっている亜紀。そんな彼女を惟は愛おしげな目でみつめている。
「ねえ、亜紀。その顔って誘ってるの? そんな顔されて、僕が我慢できると思ってる? うん、もう十分に我慢したよね。だったら、これ以上はしなくてもいいかな?」
「惟さん……」
「ダメ。惟。これからはそう呼んで。だって、僕たち婚約者同士でしょう? 敬語は必要な部分あるけど、二人でいる時までは必要ないよ。そうでしょう? そのこと、ちゃんと分かってよね」
その声が聞こえると同時に、亜紀の口に触れるだけの優しいキスが落とされる。突然のことに、ビックリした顔をする彼女に何度もそれが繰り返される。
羽根で触れるような優しい感触の合間に囁かれる『愛している』という言葉。それが引き金になったかのように彼女の口から漏れる『惟……』と呼ぶ声。それを耳にしたとたん、惟は亜紀の体をしっかりと抱きしめていた。それと一緒に囁かれるのは限りなく甘い声。


