たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~

「亜紀、僕と結婚してください」



その声に思わず亜紀は俯いてしまっている。その顔が火のように熱くなっていることが彼女にはハッキリと分かっている。こんな顔を見られたくない。そう思って俯いたままの彼女に、彼の甘い声が途切れることなくかけられる。



「亜紀、返事はくれないの? 黙っていたら分からないよ」


「わ、私……惟さんよりずっと年下です。まだまだ子供です。それでも、いいんですか?」



今の亜紀はそう応えることしかできない。惟のことを好きなのは間違いない。だが、そのたびに考えるのが彼との年の差。

たしかに、彼は亜紀のことを好きだと言ってくれた。彼女が両親と死に別れたその時に救ってくれた。だが、だからといって結婚という言葉で縛ってもいいのだろうか。

そんな思いが彼女の中にあるのも事実。そして、その思いがあるからだろう。彼女は素直に惟の言葉に頷くことができない。そんな彼女に彼の甘い言葉が続いていく。



「前にも言ったよね? 僕は亜紀だから結婚したいって思っている。あの時、一目で好きになった君を二度と離したくない。それとも、あーちゃんは僕のこと嫌いになった?」


「そ、そんなこと、ないです……でも、私……」


「うん。亜紀がまだ高校生だってこと分かっているよ。だから、今すぐ結婚しようなんて思わない。そりゃ、本音は今すぐにでも結婚したい。君が欲しい。でも、それは無理だろう? だから、亜紀が高校を卒業してからでいい。その約束だけでもしてもらえないの?」



「惟さん……私……」