「あ、あの……こ、これって……」
「見たまま。亜紀は今日が誕生日でしょう? 16歳おめでとうのケーキ」
「そ、それは分かります。でも、ケーキの上にあるものって……」
亜紀が言葉を失っているのも当然かもしれない。目の前にあるのは綺麗にデコレーションされたホールケーキ。それは、誕生日を意識しているのか一人用の小さなもの。だが、きらびやかに飾られたそれはパティシエの腕の良さが分かるだろう。
そんな中、なによりも亜紀を驚かせたものが、ケーキの中央に配置された本物のバラの花。そこに置かれている指輪は、レストランの柔らかな間接照明を浴びてキラキラと輝いている。
その輝きが花の色にも負けないようなピンクだ。そのことに気がついた亜紀は、惟の顔をマジマジと見ることしかできなかった。
「惟さん、これって?」
結局、亜紀は同じことを惟に問いかけることしかできない。そんな彼女に柔らかな笑みを向けた彼は、真剣な表情で語りかけていた。
「亜紀、初めて会った時にこれを言ったら断られたよね。でも、今度は別の答えを期待してもいいかな?」
「な、なんでしょう?」
惟の言いたいことが分かったような、分からないような状態。それでも、今の雰囲気から何が言いたいのかは分かるのだろう。少しずつ頬の色が紅潮してくる。そんな彼女に惟はこれ以上のものはない、というほど甘い声で囁きかけていた。
「見たまま。亜紀は今日が誕生日でしょう? 16歳おめでとうのケーキ」
「そ、それは分かります。でも、ケーキの上にあるものって……」
亜紀が言葉を失っているのも当然かもしれない。目の前にあるのは綺麗にデコレーションされたホールケーキ。それは、誕生日を意識しているのか一人用の小さなもの。だが、きらびやかに飾られたそれはパティシエの腕の良さが分かるだろう。
そんな中、なによりも亜紀を驚かせたものが、ケーキの中央に配置された本物のバラの花。そこに置かれている指輪は、レストランの柔らかな間接照明を浴びてキラキラと輝いている。
その輝きが花の色にも負けないようなピンクだ。そのことに気がついた亜紀は、惟の顔をマジマジと見ることしかできなかった。
「惟さん、これって?」
結局、亜紀は同じことを惟に問いかけることしかできない。そんな彼女に柔らかな笑みを向けた彼は、真剣な表情で語りかけていた。
「亜紀、初めて会った時にこれを言ったら断られたよね。でも、今度は別の答えを期待してもいいかな?」
「な、なんでしょう?」
惟の言いたいことが分かったような、分からないような状態。それでも、今の雰囲気から何が言いたいのかは分かるのだろう。少しずつ頬の色が紅潮してくる。そんな彼女に惟はこれ以上のものはない、というほど甘い声で囁きかけていた。


