亜紀としては精一杯の目力で睨んでいるつもりなのだろう。だが、上目遣いで顔を赤くしている状態で迫力も何もあったものではない。そのことを知っている由紀子は亜紀の鼻先をチョンと突いている。
「亜紀、その顔って危険よ。惟さんの理性ふっ飛ばすんじゃないの? もっとも、そうなった方が話としては美味しいのが聞けるかもだけど」
「だ・か・ら。どうして、そんなことを言うのよ」
「だって、今の亜紀の顔って、絶対に誘っているように見られるって。大抵の男が、あんたのその上目遣いに勝てるはずないんだから」
本人は無意識なのだろうが、今の亜紀からは間違いなく色気しか出ていない。そのことを感じる由紀子の顔もどこか赤くなっている。
まさか、幼なじみの上目遣いにやられる日がくるとは。
今の彼女の思いがそうなのは間違いないだろう。そして、それと同時に店内に入ってきた惟が亜紀のことをギュッと抱きしめる。その姿に、由紀子はまた嬉しそうにキャッキャッと叫び声を上げているのだった。
「た、惟さん……離してください。人が見てる……」
「ダメ。僕としては今の亜紀の顔を他の男に見せる方が我慢できない。そうでしょう?」
そう囁きかける惟の視線が由紀子に向けられる。その彼女の顔が心なしか赤くなっている。そのことに気がついた惟の口からは、大きなため息しかもれてこなかった。
「ホントに亜紀は油断できないよね。まさか、女の子にまで威力があるとは思わなかった」
「亜紀、その顔って危険よ。惟さんの理性ふっ飛ばすんじゃないの? もっとも、そうなった方が話としては美味しいのが聞けるかもだけど」
「だ・か・ら。どうして、そんなことを言うのよ」
「だって、今の亜紀の顔って、絶対に誘っているように見られるって。大抵の男が、あんたのその上目遣いに勝てるはずないんだから」
本人は無意識なのだろうが、今の亜紀からは間違いなく色気しか出ていない。そのことを感じる由紀子の顔もどこか赤くなっている。
まさか、幼なじみの上目遣いにやられる日がくるとは。
今の彼女の思いがそうなのは間違いないだろう。そして、それと同時に店内に入ってきた惟が亜紀のことをギュッと抱きしめる。その姿に、由紀子はまた嬉しそうにキャッキャッと叫び声を上げているのだった。
「た、惟さん……離してください。人が見てる……」
「ダメ。僕としては今の亜紀の顔を他の男に見せる方が我慢できない。そうでしょう?」
そう囁きかける惟の視線が由紀子に向けられる。その彼女の顔が心なしか赤くなっている。そのことに気がついた惟の口からは、大きなため息しかもれてこなかった。
「ホントに亜紀は油断できないよね。まさか、女の子にまで威力があるとは思わなかった」


