たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~

「それはそうと、もうすぐあんたの誕生日じゃない。たしか、今月の14日だったわよね」


「う、うん……今度の金曜日」


「だったわよね。あ、お祝いはするからね。一日遅くなるけど、土曜日に会える?」


「ゴメン。その日は無理。なんか、お父さんがどうしてもあけておけって煩いのよ。ついでにお兄ちゃんも絶対に予定入れるなって。だから、ゴメン。日曜日なら大丈夫だと思うんだけど」



せっかくの友人の誘いを断らないといけない。そのことにすまなそうな顔をする亜紀。そんな彼女に由紀子はクスリと笑うと、気にしてないというような顔で応えていた。



「ま、あんたの家だし、何かイベントでも考えてるんじゃないの? たしか、16歳の誕生日に正式な養子縁組するっていってなかった? そのあたりで何かあるんでしょう。そのこと考えなかった私も悪いんだし、あんたが気にすることないって」


「でも……」


「いいの、いいの。それよりも、惟さんから何かもらえるんじゃないの? あれだけ溺愛されてるんだし、あんたとの婚約話も乗り気だったんでしょう? 案外、指輪とか貰っちゃうかも?」



由紀子の言葉は亜紀には刺激が強すぎたのだろうか。一気に顔が赤くなると金魚のように口をパクパクさせている。そんな友人の姿は見ていて楽しいものでしかない。そんなことを言いたげな顔をした由紀子が店の外に目をやっている。そこに映る人影に気づいた彼女は、目を三日月のように細くすると口元を半円に持ちあげて亜紀の顔をじっとみていた。



「もう、亜紀ったら愛されてるのね~」


「ゆ、由紀子……何を言いたいの?」