たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~

そう言いながら、由紀子は亜紀の頬を引っ張っている。彼女の言葉の意味が分からない亜紀は突然の行動にジタバタするだけ。そんな彼女の期待を裏切らない行動に、由紀子のスキンシップがますます激しくなっていく。



「もう、ホントに亜紀って可愛い! ほっとけないってこのことよね。そうそう、これから何があったのか絶対に教えるのよ。分かってる?」


「だから、何を教えろっていうのよ」


「決まってるじゃない。惟さんとどうなったかってこと。あんなイケメンに溺愛されてるんだもの。惚気の一つや二つ、聞かせてくれてもいいんじゃない?」



由紀子の言葉は亜紀の羞恥心を完全に刺激しているのだろう。その顔がポッポと赤くなっていく。この調子なら、そのうちお湯が沸かせるんじゃないだろうか。そんなことを由紀子は思わないでもない。だが、そんなことを言い出したら間違いなく亜紀が怒る。そのことを知っている彼女はふんぞり返るようにしながら、亜紀に言葉をぶつけていた。



「分かってるの? こういうことってホウ(報告)レン(連絡)ソウ(相談)なの。つまり、あんたは私に逐一、報告する義務があるってこと」


「で、でも……由紀子が思っているような展開にならないかも、よ?」



このまま流されたらどうなるか。そのことが分かっている亜紀は必死になって抵抗する。そんな彼女の努力をあざ笑うかのように、由紀子はチッチと指を振っていた。



「なるに決まってるでしょう。それに、前から話してたじゃない。王子様がいればいいねって。もう、完璧王子様が目の前にいるじゃない。ちゃんと現実をみなさい」