「嘘ついてどうするのよ。でも、思い出しただけで腹が立つ!」
「どこが? だって、どう見たって極上のイケメンじゃない。そんな人が婚約者だなんて贅沢すぎる! なんで、あんたばっかりそういう美味しい思いをするの?」
「だって、昨日まで顔も知らなかった人よ? それなのに、突然そう言われて納得できるはずないじゃない。おまけに、なんて言ったと思うの?」
さすがに亜紀のその問いかけに由紀子が応えることはできない。その代わり、彼女は『分かるはずないでしょう』というような抗議の色を見せるだけ。その姿に、亜紀はしぶしぶ昨日のことを話し始めていた。
「あの人、お互いの利益になるからパートナーとしての契約しようとか言いだすのよ。結婚は契約だとか言うし。そのくせ、ああやって引っ付いてくるでしょう? もう、ホントに訳が分からない!」
由紀子に対して言いたいことを言いきった。そんな思いがある亜紀は肩をゼーハーさせると、出された紅茶に手をつけている。そんな彼女の姿をみた由紀子は、どこか納得したような表情を浮かべていた。
「でもさ、それって亜紀が悪いと思うな」
「だから、どこが」
「だって、私が見て思っただけなんだけど、さっきの人って亜紀にベタ惚れじゃない。違う?」
そう告げると、由紀子は涼しい顔をして紅茶を飲み始めている。一方、彼女の言葉に飲みかけていた紅茶を吹いた亜紀は、顔を真っ赤にして怒鳴っている。
「どこが? だって、どう見たって極上のイケメンじゃない。そんな人が婚約者だなんて贅沢すぎる! なんで、あんたばっかりそういう美味しい思いをするの?」
「だって、昨日まで顔も知らなかった人よ? それなのに、突然そう言われて納得できるはずないじゃない。おまけに、なんて言ったと思うの?」
さすがに亜紀のその問いかけに由紀子が応えることはできない。その代わり、彼女は『分かるはずないでしょう』というような抗議の色を見せるだけ。その姿に、亜紀はしぶしぶ昨日のことを話し始めていた。
「あの人、お互いの利益になるからパートナーとしての契約しようとか言いだすのよ。結婚は契約だとか言うし。そのくせ、ああやって引っ付いてくるでしょう? もう、ホントに訳が分からない!」
由紀子に対して言いたいことを言いきった。そんな思いがある亜紀は肩をゼーハーさせると、出された紅茶に手をつけている。そんな彼女の姿をみた由紀子は、どこか納得したような表情を浮かべていた。
「でもさ、それって亜紀が悪いと思うな」
「だから、どこが」
「だって、私が見て思っただけなんだけど、さっきの人って亜紀にベタ惚れじゃない。違う?」
そう告げると、由紀子は涼しい顔をして紅茶を飲み始めている。一方、彼女の言葉に飲みかけていた紅茶を吹いた亜紀は、顔を真っ赤にして怒鳴っている。


