「ねえ、このままここにいて。亜紀がそばにいるってことを実感させて。ちょっとだけ眠るけど、目が覚めたら一番に君に言いたいことがあるから。だから、ここにいてくれるよね?」
「うん……私も一緒にいたいから……じゃあ、手を握っていてもいい?」
そう言いながらも、亜紀は惟の返事を待つことなく、彼の手を握っている。そのまま彼の胸にもたれるようにして目を瞑る姿に、惟もすっかり安心したような表情になっている。
穏やかな午後の日差しが差し込む中。ようやく、互いの気持ちが通じ合ったことを実感しているのだろう。幸せそうな微笑みを浮かべて、二人はまどろみの中に旅立っているのだった。
◇◆◇◆◇
「いや! 絶対にいや! 話が違うもの。そうじゃないの?」
どこか悲愴な響きを帯びた亜紀の声が響く。その声に周囲にした人々はどうしたのか、というような表情を向ける。だが、その理由に納得したのだろう。何も言うことなく、それぞれの用事をこなそうとする。そんな中、亜紀の悲鳴だけがいつまでも響き渡っていた。
「でも、亜紀ちゃん。これを着て、ショーに出てくれるって約束したじゃない」
「それはしたわよ。でも、惟と一緒っていうのは聞いてないもの」
「そんなことないよ。僕、ちゃんと最初に言ったもの。本番に慣れとくためにも、惟と一緒にショーに出てって」
アンジーのその言葉に、亜紀は必死になって記憶の扉をこじ開けている。その結果は、彼の言葉が正しいのだということを認めざるを得ない状況。しかし、彼女がそのことを了承するつもりもさらさらない。だからこそ、亜紀は必死になって抗議の声を上げていた。
「うん……私も一緒にいたいから……じゃあ、手を握っていてもいい?」
そう言いながらも、亜紀は惟の返事を待つことなく、彼の手を握っている。そのまま彼の胸にもたれるようにして目を瞑る姿に、惟もすっかり安心したような表情になっている。
穏やかな午後の日差しが差し込む中。ようやく、互いの気持ちが通じ合ったことを実感しているのだろう。幸せそうな微笑みを浮かべて、二人はまどろみの中に旅立っているのだった。
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「いや! 絶対にいや! 話が違うもの。そうじゃないの?」
どこか悲愴な響きを帯びた亜紀の声が響く。その声に周囲にした人々はどうしたのか、というような表情を向ける。だが、その理由に納得したのだろう。何も言うことなく、それぞれの用事をこなそうとする。そんな中、亜紀の悲鳴だけがいつまでも響き渡っていた。
「でも、亜紀ちゃん。これを着て、ショーに出てくれるって約束したじゃない」
「それはしたわよ。でも、惟と一緒っていうのは聞いてないもの」
「そんなことないよ。僕、ちゃんと最初に言ったもの。本番に慣れとくためにも、惟と一緒にショーに出てって」
アンジーのその言葉に、亜紀は必死になって記憶の扉をこじ開けている。その結果は、彼の言葉が正しいのだということを認めざるを得ない状況。しかし、彼女がそのことを了承するつもりもさらさらない。だからこそ、亜紀は必死になって抗議の声を上げていた。


