ここで玲子に問いかけるのは地雷を踏むに等しい。そのことが分かっている亜紀だが、今の雰囲気ではそうせざるを得ない。そんな思いがあるせいか、玲子に呼びかける声はどこか弱々しい。
もっとも、そんな亜紀の感情を玲子が考えているはずもないというのも事実。呼びかけられたことに対してはニッコリと笑顔を浮かべている。だが、そのなかでも不満があるというような顔で彼女は亜紀に応えていた。
「本当はおばさまって嫌なのよ?」
「玲子、それ以上は止めた方がいい。亜紀ちゃんがドン引きするよ。そうなってもいいのなら、いくらでもどうぞ」
「たっちゃんの意地悪。でも、そんなことになったら、とっても寂しいわよね。じゃあ、今はおばさまで許してあげる。それよりも、惟に会うんでしょう? 亜紀ちゃんに会えたのが嬉しくって、そのあたりのこと分かってあげなくてごめんなさいね」
満面の笑顔を振りまきながらそう告げる玲子の姿。それに対して、亜紀はどう返事をすればいいのか分からなくなっていた。
いや、惟のことが好きなのは間違いない。今までは憧れもその中にあったのかもしれないが、今の彼女は彼のことを誰よりも好きだと言えると思っている。だが、そうなるとどうしても気になることが生まれてくる。
本当に彼のそばにいるのが自分でいいのだろうか。
そんな根拠のない不安が、彼女の中では大きくなっている。だからこそ、亜紀は玲子の声に俯きながら応えることしかできなかった。
もっとも、そんな亜紀の感情を玲子が考えているはずもないというのも事実。呼びかけられたことに対してはニッコリと笑顔を浮かべている。だが、そのなかでも不満があるというような顔で彼女は亜紀に応えていた。
「本当はおばさまって嫌なのよ?」
「玲子、それ以上は止めた方がいい。亜紀ちゃんがドン引きするよ。そうなってもいいのなら、いくらでもどうぞ」
「たっちゃんの意地悪。でも、そんなことになったら、とっても寂しいわよね。じゃあ、今はおばさまで許してあげる。それよりも、惟に会うんでしょう? 亜紀ちゃんに会えたのが嬉しくって、そのあたりのこと分かってあげなくてごめんなさいね」
満面の笑顔を振りまきながらそう告げる玲子の姿。それに対して、亜紀はどう返事をすればいいのか分からなくなっていた。
いや、惟のことが好きなのは間違いない。今までは憧れもその中にあったのかもしれないが、今の彼女は彼のことを誰よりも好きだと言えると思っている。だが、そうなるとどうしても気になることが生まれてくる。
本当に彼のそばにいるのが自分でいいのだろうか。
そんな根拠のない不安が、彼女の中では大きくなっている。だからこそ、亜紀は玲子の声に俯きながら応えることしかできなかった。


