「本当にそう思ってくれる? 僕に会うのって怖くないの? 僕、亜紀ちゃんのこと本気で抱こうとしたよ? そんな男のそばに平気でいられる?」
畳みかけるようなその声に、亜紀は一瞬、気押されたようになっている。それでも、ここで引いてしまってはいけない。そんなことも思うのだろう。彼女はグッと唇を噛むと、しっかりとアンジーの顔をみつめている。
「本音を言うと、ちょっと怖いです。でも、グラントさんは私のこと、それくらい好きだって思ってくれてたんでしょう? 逆にその気持ちに応えられないのが悪いかなって……」
「亜紀ちゃん、そんなこと思っちゃダメ。君がそんな風に思ってくれてるって知ったら、諦めきれないよ? だって、僕は往生際が悪いから。でも、それが亜紀ちゃんの優しさなんだよね」
そう言うと、アンジーは亜紀の髪に手を伸ばしている。そこに浮かんでいる表情がどことなく寂しげだ。その顔を目にした亜紀は、胸が締め付けられる思いに駆られていた。
「アンジー、ごめんなさい」
思わず口から出たその言葉は、今の彼女の本心なのだろう。もっとも、それを耳にしたアンジーはすっかり驚いた顔になっている。
「亜紀ちゃん、ここでそれって反則だよ。でも、そんな君だから好きになったんだよね。ね、約束してくれない? 恋人にはしてくれないだろうけど、友だち以上にはしてくれる?」
彼のその問いかけに亜紀はコクリと頷くことしかできない。そんな亜紀の答えを目にしたアンジーはゆっくりと立ち上がると、彼女の耳元でそっと囁きかけていた。
「惟は隣の病室にいるよ。僕よりも亜紀ちゃんの方が、惟には効き目があるだろうね」
畳みかけるようなその声に、亜紀は一瞬、気押されたようになっている。それでも、ここで引いてしまってはいけない。そんなことも思うのだろう。彼女はグッと唇を噛むと、しっかりとアンジーの顔をみつめている。
「本音を言うと、ちょっと怖いです。でも、グラントさんは私のこと、それくらい好きだって思ってくれてたんでしょう? 逆にその気持ちに応えられないのが悪いかなって……」
「亜紀ちゃん、そんなこと思っちゃダメ。君がそんな風に思ってくれてるって知ったら、諦めきれないよ? だって、僕は往生際が悪いから。でも、それが亜紀ちゃんの優しさなんだよね」
そう言うと、アンジーは亜紀の髪に手を伸ばしている。そこに浮かんでいる表情がどことなく寂しげだ。その顔を目にした亜紀は、胸が締め付けられる思いに駆られていた。
「アンジー、ごめんなさい」
思わず口から出たその言葉は、今の彼女の本心なのだろう。もっとも、それを耳にしたアンジーはすっかり驚いた顔になっている。
「亜紀ちゃん、ここでそれって反則だよ。でも、そんな君だから好きになったんだよね。ね、約束してくれない? 恋人にはしてくれないだろうけど、友だち以上にはしてくれる?」
彼のその問いかけに亜紀はコクリと頷くことしかできない。そんな亜紀の答えを目にしたアンジーはゆっくりと立ち上がると、彼女の耳元でそっと囁きかけていた。
「惟は隣の病室にいるよ。僕よりも亜紀ちゃんの方が、惟には効き目があるだろうね」


