容赦のない拓実の言葉に、アンジーは何も言い返すことができなくなっている。今の彼は俯き、肩を震わせることしかできないのだろう。そんな彼の心を表すように、持っている花束が揺れる。
もっとも、そんなことで拓実の怒りが治まるはずもない。彼は冷ややかな視線を向けながら言葉を続けていくだけ。
「何も言えないの? そうだろうね。でも、僕の気持ちも分かるんじゃないの? 何しろ大切な妹と従兄を傷つけられたんだよ。本来なら、出るところに出るべきなんだろうけどね。でも、ファエロアは惟さんが関係している。下手に大ごとにするのも大人げないと思ったんだよね」
拓実のその声にアンジーの肩がピクリと揺れる。そして、大きく息を吐いたかと思うと、彼が絞り出すかのようにして言葉を口にしていた。
「今回は本当に申し訳ありませんでした。僕がもっとしっかりしていれば、惟や亜紀ちゃんをこんな目にあわせなくても済んだのに……」
「本当にそう思ってるの? だったら、ここにのこのこ来れるはずないっていうことも分かってるんじゃないの? 惟さんのところに顔出しするのまで止めないよ。でもね。亜紀ちゃんのところに来るのは筋違いじゃない?」
拓実の言葉はアンジーを責める調子しか含んでいない。そのことに気がついた彼は顔色を失っている。だが、これだけは言わないといけないと思っているのだろう。俯いていた視線を上げると、しっかりと拓実に反論していく。
「おっしゃりたいことはよく分かります。でも、僕は亜紀ちゃんに会いたい。会って、今回のことをちゃんと謝りたい」
もっとも、そんなことで拓実の怒りが治まるはずもない。彼は冷ややかな視線を向けながら言葉を続けていくだけ。
「何も言えないの? そうだろうね。でも、僕の気持ちも分かるんじゃないの? 何しろ大切な妹と従兄を傷つけられたんだよ。本来なら、出るところに出るべきなんだろうけどね。でも、ファエロアは惟さんが関係している。下手に大ごとにするのも大人げないと思ったんだよね」
拓実のその声にアンジーの肩がピクリと揺れる。そして、大きく息を吐いたかと思うと、彼が絞り出すかのようにして言葉を口にしていた。
「今回は本当に申し訳ありませんでした。僕がもっとしっかりしていれば、惟や亜紀ちゃんをこんな目にあわせなくても済んだのに……」
「本当にそう思ってるの? だったら、ここにのこのこ来れるはずないっていうことも分かってるんじゃないの? 惟さんのところに顔出しするのまで止めないよ。でもね。亜紀ちゃんのところに来るのは筋違いじゃない?」
拓実の言葉はアンジーを責める調子しか含んでいない。そのことに気がついた彼は顔色を失っている。だが、これだけは言わないといけないと思っているのだろう。俯いていた視線を上げると、しっかりと拓実に反論していく。
「おっしゃりたいことはよく分かります。でも、僕は亜紀ちゃんに会いたい。会って、今回のことをちゃんと謝りたい」


