たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~

「亜紀、愛してるよ。僕の気持ち、ちゃんと受け止めて」



キスの合間に囁かれる甘い言葉に、亜紀は完全に頭が真っ白になってしまっているのだろう。抵抗することも忘れたように、されるがままになっている。そんな二人の姿に拓実の顔がますます赤くなっていくのは当然のことかもしれなかった。



「惟さん! ここ、学校ですよ! それに、一応、僕もいるんですけれども? 絶対に、そのこと忘れているでしょう! 亜紀ちゃん、そこまで蕩けさせてどうしようっていうんです!」



この場はなんとかして現実を認識してもらいたい。そう思う拓実が大声を上げるが、惟に効果があるはずもない。今まで不足していた亜紀を補うかのように交わされるキスの嵐。

もっとも、そのおかげで落ちつきを取り戻したのだろう。先ほどまでの焦ったような様子を感じることができない。しかし、これはヤバい。そう思う拓実の表情が強張っていくが、惟が亜紀を離す気配はさらさらない。

不本意ながらも、妹の濃厚なラブシーンを見せつけられている。そのことに、拓実は苛立ちを抑えることができないようだった。それでも、無駄だと分かってはいても、彼は叫ぶことを止めることができない。



「惟さん、聞いてるんですか! ここの場所を考えてくださいって。惟さんと亜紀ちゃんのこと知ってる人ばかりじゃないんですよ。これって、いたいけな女子高生を襲っている変態って思われても反論できないんですからね!」


「拓実君。それは言いすぎじゃないの? そりゃ、僕もちょっとばかり興奮してしまったことは認めるよ。でも、変態じゃないって」