たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~

アンジーの問いかけを、惟は当然ではないかというようにあっさりと切り捨てる。そのまま、彼は口調を変えることなく話し続けていた。



「僕は亜紀のことを誰よりも愛している。だから、彼女がより美しくなるためになら、どんな努力も惜しまない。でしょう? 女性を美しくするためには男の甲斐性が必要ってね」


「ま、たしかに……女性の手を美しいままにするには、相手の経済力が重要な部分、あるよね。それと、惟が亜紀ちゃんのためにどれだけのことをしているかは知っているつもりだし」



ポツリと返されるアンジーの言葉。それに惟はクスリと笑いながら応えている。



「分かってるんじゃない。じゃあ、それだけ美しくて魅力のある女性に惹かれない男がいると思うの? 思わないでしょう。たしかに、本音は彼女を独占したいよ。うん、僕のことだけをみて、僕だけを愛してもらいたい。でも、そうしようと思ったら彼女のことを監禁しなきゃいけない。それは問題あるでしょう?」



惟の言葉に、アンジーはどう応えていいのか分からない。なにしろ、彼の言っていることがあまりにも極端なような感じがするからだ。しかし、これが惟の本音でもあるということを彼は感じている。だからこそ、反対の声を上げることなく、じっと耳を傾けるだけ。



「そうだ。アンジーに頼みたいことあるんだけど、いいかな?」


「なんだろう。僕にできること?」


「うん、アンジーじゃなきゃできない」



思わせぶりな惟の言葉。彼が何を言いたいのか、アンジーには分からない。だが、ここは無視してはいけない。そう思う彼は惟の言葉の続きを待つことしかできない。