たとえ、これが恋だとしても～あなたとSweet sweets～

そう言い切った惟は、当然だろうというような顔をアンジーに向ける。そんな彼の態度に、アンジーはどう応えていいのか分からないのだろう。惟の顔を見ることもできず、床に視線を落とすことしかできない。そんな彼に追い打ちをかけるように惟が声をかけてくる。



「アンジー、僕は気にしていないよ。なにしろ、相手は亜紀なんだ。彼女が魅力的なのは誰でも認めていることだと思うよ。そんな彼女に恋する連中が山ほどいるっていうことも僕は知っているしね」


「でも、惟……」


「ねえ、アンジー。僕はある意味で優越感をもっているよ。だって、そうじゃないか。それだけ魅力的な亜紀は僕のことを愛してくれている。それは間違いない。だから、彼女のことを好きだっていう相手のことを気にする必要はないって思ってる」



惟のその声にアンジーはどう返事をすればいいのかと思っているのだろう。視線があちらこちらへと揺れている。それでも、これだけはハッキリしないといけない。そう思った彼がようやく、口を開いている。



「じゃあ、惟は僕が亜紀ちゃんのことを好きだっていうことを気にしないの？」


「当り前。何度も言わせるんじゃないよ」


「だから、どうして。だって、惟にすれば亜紀ちゃんは誰よりも大事な相手だろう？　その相手のことを好きだっていう相手のことが気にならないなんておかしいよ」


「たしかにそうかもしれない。でも、亜紀のことを一番に思っているのは僕だ。それは譲るつもりない。でも、あれだけ魅力的な亜紀のことを好きになるな、なんてことも言えないよね」