「それはそうと、マジで婚約したんだ。ビックリしたわ」
「う、うん……やっぱり、驚いた? 私もまさかあの場で発表するって思ってなくって……司会の人に突然言われた時は、どうしようって思っちゃった」
「そうよね~。で、そのショックで私とのデート、ドタキャンしたわけ?」
そう訊ねられたとたん、亜紀の顔がますます赤くなる。それと同時に酸欠状態の金魚のように口をパクパクさせる。それを見たとたん、由紀子の目が三日月のように細くなり、口角が半円に上げられる。
それは彼女がこの事態を楽しんでいる証拠。そのままの顔で、由紀子は亜紀にグイッと体を近づけている。
「何かいいことあったのね。ほら、報告しなさい。婚約しただけじゃなくて、食べられちゃったのかしら?」
由紀子の言葉は亜紀にとって、不意打ちとしかいいようがない。たしかに、彼女がいうような事態になったことは間違いない。だが、そのことを口にするのは気恥かしい。そう思って俯く亜紀に、友人の容赦のない追及の手が迫ってくる。
「ねえ、亜紀。約束したわよね。あんたのこと溺愛している惟さんと何があったのか、逐一報告するって。そのこと、もう忘れちゃったの?」
「そ、そんなことない……で、でも、恥ずかしいんだもん!」
そう叫ぶ亜紀の顔は、火を吹いたようになっている。しかし、それも仕方がない。なにしろ、惟と体を重ねたのは誕生日の夜だけではないからだ。
「う、うん……やっぱり、驚いた? 私もまさかあの場で発表するって思ってなくって……司会の人に突然言われた時は、どうしようって思っちゃった」
「そうよね~。で、そのショックで私とのデート、ドタキャンしたわけ?」
そう訊ねられたとたん、亜紀の顔がますます赤くなる。それと同時に酸欠状態の金魚のように口をパクパクさせる。それを見たとたん、由紀子の目が三日月のように細くなり、口角が半円に上げられる。
それは彼女がこの事態を楽しんでいる証拠。そのままの顔で、由紀子は亜紀にグイッと体を近づけている。
「何かいいことあったのね。ほら、報告しなさい。婚約しただけじゃなくて、食べられちゃったのかしら?」
由紀子の言葉は亜紀にとって、不意打ちとしかいいようがない。たしかに、彼女がいうような事態になったことは間違いない。だが、そのことを口にするのは気恥かしい。そう思って俯く亜紀に、友人の容赦のない追及の手が迫ってくる。
「ねえ、亜紀。約束したわよね。あんたのこと溺愛している惟さんと何があったのか、逐一報告するって。そのこと、もう忘れちゃったの?」
「そ、そんなことない……で、でも、恥ずかしいんだもん!」
そう叫ぶ亜紀の顔は、火を吹いたようになっている。しかし、それも仕方がない。なにしろ、惟と体を重ねたのは誕生日の夜だけではないからだ。


