と言いつつもいつも護身用のハサミ持ってる。
いいでしょ。護身用だし。
「ちょっと、お前。」
「なに?」
クラスがざわつく中、
吉田を守るように前へ出てきた鈴宮くん。
「もういいだろ、こいつも反省してるじゃん。
いい加減引きなよ、クズ。」
「大切な友達を守るためですか、チビ。」
「うっさい、ブス。」
「え、ちょ、待ってなにそれ可愛い。」
私の視線の先は鈴宮くんの手。
一生懸命に吉田の服の裾を掴んでる。
「可愛いっていうな、カス。」
「え、だってそれはかわい……」
「だから可愛いって言うな、日本語通じないのかハゲ。」
バッチリ通じてますと意味を込めて、笑顔で親指を立てた。
「通じてないのか。」
という鈴宮くんの声と
「勝ったな。」
鈴宮くんの後ろで笑みを浮かべてる吉田に向かって
さっきの笑顔を崩さずに親指を下へ立てた。