吉田、いた。
私を見た瞬間うわっ。
的な目をされたが睨み返す。
次の授業が出れなくなるとかそんなこと言ってるけど
とりあえず何もしないし何もできない。
だって男嫌いだし。
その言葉を入学の自己紹介でしてから、
珍しいからかすぐに噂が広まり、男は寄ってこなくなった。
とても助かる。
1人空気の読めないKYが私に近寄ってくるけど。
「おい、吉田 陸斗。」
「は、はい………」
一応キレると止まらないので、
そこは雰囲気で分かって頂けてるのか、
吉田は控えめに返事をした。
近くには鈴宮くんの姿。
2人仲がいいとは耳に入ってたけど、
鈴宮くんもよくやるなぁ。
私は絶対嫌だね。
「この紙はなんでしょうか?」
ポケットから先程しわくちゃになった紙を出す。
「は、はは………なんでしょ………う…ね?」
吉田は鈴宮くんの後ろに隠れた。
「逃げるの?私にこんな啖呵きっといて。」
「い、いえ、それは、ほらっ!!
冗談でやっただけで…」
語尾がだんだん小さくなっていく。
私はそんなに簡単にキレないから大丈夫なのに。

