今時そんな呼び合いする人もいるんだ。
と声のした方を見た。
「ちょ、あの、美空さん?」
「ん?」
「まさか彼氏ですか。」
「うんっ、そうだよー!!
陸斗カッコイイでしょ♪渡さないけどねっ!」
「死んでも要りません。」
美空の彼氏が吉田だったと、今知った。
吉田からのアタックに負けて美空が付き合ったらしい。
別にそこはどうでもいいけどさ。
「用はなんですか。」
「あー、これ。鈴宮から。」
そう言って吉田は1枚の紙を差し出してきた。
「なにですかこれ、ちょ、やめて寄ってくんな。
ちょ、ちょっと……。
おい、刺すぞお前。」
「あっ、すいません。」
吉田が近付こうとしてきたから近くにあったハサミを向ける。
するとさっと紙を美空に渡した。
「ん、ありがとう。」
美空から紙を受け取り、
それと同時に次の授業のチャイムが鳴った。
紙は授業中に見よう。

