「え!?――――――――」




そのとき、南に抱き締められた。
体全部から南の匂いがした。




「南?」



「七海のこと大好きだから、オレ別れる。七海の元カレは七海のこと愛してると思う…
オレ以上に…」




「南…」




「だから、元カレとより戻しなよ!!オレのことは……………気にしなくていいから…」



南が泣いていた。
南の涙を初めて見た。




「南……」


あたしは南の腕の中から離れた。


「最後な……」



南はあたしの唇にキスをして、もっとたくさんの涙を流した。



「南…?泣かないで…」


「じゃぁな…七海」


南は屋上のドアから階段を降りて行った。

その後ろ姿が悲しそうで、寂しそうで…



あたしも泣いた。


熱い涙が頬を伝った。