そう言いながらも、彼はあたしを見て、突如、小さな声で、つぶやいた。 「悪い」 たった一言。 「泣くほど嫌だったのか?」 「…じゃない…。」 声に出た。 たった一言。 「嫌じゃ…ない。」 小さな声で、でも、聞こえるようなはっきりした声。 「委員長…。」 彼はもう一度、控えめに唇を重ねた。 小さなリップ音が、狭く暗い部室に響く。