「そっちに…行ってもいいか?」 優しく、まるで好きだと囁くようにそう声をかける晴宗。 その問いに少しの間反応を返さなかった久保姫だったが、漸くこくりと小さく首を縦に振った。 やっと返ってきた彼女からの反応に、晴宗はほっと肩を撫で下ろすと久保姫を刺激しないようゆっくりとした足取りで彼女の前に回る。 そしてそのまま腰を下ろし久保姫の顔を覗き込んだ。 「ーっ」 思わず息を呑む。 そこには拗ねたように怒ったように、そして悲しんでいるように顔をしかめる久保姫の姿があった。