【颯斗side】

なぁ、梨沙。

俺、その男から梨沙奪いたい。

俺には梨沙が必要。

梨沙じゃないとダメだ。


「なぁ、梨沙。俺がなんでこの街に戻ってきたと思う?」


「懐かしむため...?」


「違う。梨沙を取り戻しにきた。俺さ、宮田さんと約束したんだ。絶対に梨沙を取り戻すって」


「っうう、っう、バカ。遅いよっ!どんだけ私を待たせるのよ...っうう」


「梨沙......ごめんな。遅くなった」


そう言って、俺は梨沙の頭を撫でた。

どれだけ梨沙を待たせたか、この姿を見てわかった。

梨沙は辛くてもずっと待っててくれてたんだな。


「そういえば、宮田さんは?あいさつしたいんだけど」


「宮田さんなら去年亡くなってるよ」


「え?亡くなった?嘘だろ?」


「本当だってば!すっごく辛かった」


宮田さんが亡くなった.......。

本当でも信じられねぇ。

俺にとってすごく大切な存在だったのに。

たくさん報告したいことがあるのに。

宮田さんがいないってすごい辛いんだな。