「え、あのそこ私が使ってたんですけど」


あ、颯斗と出会った時もこうだったけ?

懐かしいなぁ。


「やっぱりここだ。久しぶり、梨沙」


「え......?は、やと?」


「そうだけど?そりゃ、びっくりするよね」


嘘でしょ?

颯斗に会えた......。

高1の頃の颯斗よりすっごく大人っぽくなってる。

もうあの頃の颯斗じゃないんだね。

ちゃんと大人になった颯斗だ。

でも、かっこいいのは変わらない。


「梨沙、しゃべろ?いろいろはなしたい」


「う、うん」


「今彼氏いるのか?」


「うん......。でも、お互い好きで付き合ってるわけじゃないから」


「どういう意味?」


「颯斗が好きだけど、それでもいいから付き合ってほしいって言われたんだ。だから、少しでも忘れるために付き合ってる」


颯斗。

私を奪いに来て。

やっぱり私は颯斗じゃないとダメなんだ━━。