颯斗が関西へ行ってから月日がたった。

私はもう21歳。

颯斗には悪いけど、彼氏がいる。

颯斗が好きでもいいから付き合ってと言われて付き合った。

ちょっとは颯斗のこと忘れないといけない気がしたから。

今日は颯斗と付き合った日。

だから、懐かしい図書館へ行くんだ。


「こんにちわー」


「あら、梨沙ちゃんっ！いらっしゃい」


「お久しぶりです。山村さん」


今は司書さんが変わって、山村さんになった。

宮田さんは去年、亡くなった。

私にとっておばあちゃんみたいな存在だった宮田さんが亡くなったのはとても悲しかった。

たくさん泣いた。


「.......来ないよねー。本でも読もっと」


私はいつも通りの席に座り、颯斗を待ってみた。

でも、来るはずはない。

だから、本でも読むことにした。