図書館彼氏【短編】

「はぁはぁはぁ......あの...宮田さん.....いますか?」


「梨沙ちゃん...。もう聞いたのね」


ほら、宮田さんも知ってる。

なんで私には教えてくれなかったの?


「梨沙ちゃん、とりあえず誕生日おめでとう」


「え......?あ、私今日誕生日なんだ。ありがとうございます...」


そうだ、今日は私の誕生日だ。

颯斗のことでびっくりして、忘れてた。


「さぁ、颯斗くんのことについてはなしましょうか。本当は言わないでって言われてたんだけど、知ってしまったならはなすわね」






「っうう、っう、そう...だったんだ...颯斗...颯斗に会いたいよ...っうう」


宮田さんから颯斗について教えてもらった。

なんで、関西に引っ越すのかとか、どれだけ颯斗が悩んでいたかとか...。

そしたら、涙がとまらなくなった。

ねぇ、颯斗。

颯斗が言ってたこと忘れないね。

笑顔でいるから。

あと、いつか絶対指輪くれるんでしょ?

待ってるから。

だから、約束、守るよ。

“ばいばい”じゃない。

颯斗、“またね”。