図書館彼氏【短編】

【梨沙side】

「じゃあな...」


今日の“ばいばい”は変だった。

いつもはまた会えるっていう“ばいばい”なのに、今日はしばらく会えないような、切なくて苦しくて悲しい“ばいばい”だった。

でも、会えなくなるなんてない。

もし、そうだとしても言ってくれるはずだよ。



「ただいまー」


「おかえりなさい。ご飯もうすぐで、できるわよ」


「はーい。できたら、また呼んで」


そう言って、私は部屋に戻った。

また明日から学校かぁ。

また登校中に会えればいいなぁ!

それか、誘ってみようかな?


━━.......プルプルプルプル。


『はい、もしもし』


「あ、颯斗?今日は本当にありがとね」


『喜んでくれたならよかった』


「あのね、颯斗って明日一緒に学校行ける?なんか、一緒に登校したいなって思って」


『あー、明日かぁ。明日は無理かな。ごめんな』


「そっか...。わかったよ!こっちこそなんかごめんね!」


『おう。じゃあな』


「ばいばい......」


━━プツッ...ツーツーツー。


なんで一緒に行けないのかな?

なんか用事あるとか?

ま、いつかまた誘ってみよっと。