図書館彼氏【短編】

数日後。

今日は引っ越す前日。

梨沙と最後の日。

今日の日をむかえるまでたくさんのことをしてきた。

放課後デートや、俺の家にいれたり、行きたいとこに行ったり。

今日は梨沙と出会った図書館に行く。

そして、言っておきたいことや渡したいものを渡す。


「おまたせー。待った?」


「待った。嘘。今来たとこ」


「よかったぁ。中入ろ?」


「うん」


いつも通りに梨沙のお気に入りの席に座った。

なんにも知らない梨沙はすごい笑顔。

本当幸せそうな顔してる。


「なぁ、梨沙。これから大切な人がいなくなっても笑顔忘れるなよ?俺、梨沙が笑ってる顔が1番好きだから」


「え?なに急に。颯斗おかしいよ?ふふっ」


「そうか?普通じゃね?あ、あと梨沙にあげたいものがあるんだ。はい、これ」


「これって......」


俺があげたのは、ペアリング。

あんまり金なくて、安いのしか買えなかったけど、これをあげたかった。

離れても繋がってることを意味するものが欲しかったんだ。


「いつか......いつか絶対に本物の指輪あげるから。だから、それまで待っててくれ」


「うんっ!ありがとっ」


そう言って、梨沙は涙を流した。

これは嬉し涙。

明日は...................







悲し涙。